さすがのスケールと迫力でなかなか面白かった。ストーリー自体は目新しいものではないけれど、画面の美しさは印象に残った。
サスペンス的に話を紡いでゆく前半は、スリル満点。だがストーリー展開は、結局『アルマゲドン』風の、命を賭して危機に立ち向かう男たちの物語。そこに、「愛する者を救えるか」という多少甘ったるい親子間・男女間の機微がからむ。私としては、子供を前面に押し出すやり方はどうも好きにはなれない。そして、エンディングがどうにもつまらない。あの後、政府はどのようにして情報が漏れるのを防いだかとか、3人の男の英雄的活躍がおそらく闇に葬られてしまったであろうことに対し、残された者たちがどのような感慨を抱いたかに、どうも感心が向いてしまう。
そんなわけで、ストーリーには感慨が湧かなかったが、映像はとても良かった。雪山ロケ、美しいこともさることながら、どんなに撮影に苦労しただろうと思うと、俳優陣の頑張りにも拍手を送りたい。雪崩の場面も見事だし、ヘリコプターの連隊が一斉に飛び立つ場面は壮観で構図も素晴らしく、鳥肌が立つほどだ。そして、日の出とともに近づくトマホークの光の場面など、自然を生かした映像は素晴らしかった。また、ステルス爆撃機の内部など、実際のところは知らないが、かなりの再現性なのだろう。
まあ自衛隊にしろ、政府にしろ、綺麗ごとすぎるという印象は免れないが、あれだけ自衛隊の協力を得て撮影が実現したのだから、仕方ないところか。
俳優陣では、工作員役の波岡一喜さん(『パッチギ!』のときも、この人は一番印象的だった)が終始苦しそうな役を好演していたと感じたし、彼の恋人チヘ役の金子さやかさんも、ほとんど台詞のない役を熱演していたと思う。主演の大沢たかおさんを始め、吉田栄作さん、玉木宏さんは、それぞれ無難という印象。大森南朋さんは、なんとも勿体無い使い方だ。「助けに行けよ!大森!」と思わず突っ込みたくなった(笑)竹内結子さんもいつもの通りだが、チヘを連れて逃げる場面や、切羽詰って叫びながら銃を撃つ場面は新鮮に見えてなかなかよかった。この人は静より動のほうが、魅力的かも知れないと思った。
(2007.12.24 池袋シネマサンシャインにて)
余談だが、予告編で観た『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』が、ものすごく面白そうなので、来年4月が楽しみだ。