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『ライラの冒険 黄金の羅針盤』試写会

昨秋映画館で、特報を初めて見たとき、面白そうだなと思ったが、公開目前になって、あまりの宣伝量に、だんだん鼻白んだ気分になってきた。それでも運よく試写状が当たったので、行ってきた。広い試写会場は超満員。関心の高さがうかがわれる。

続き
スケールの大きなファンタジーと言えば、どうしても『ハリー・ポッター』シリーズと比べてしまうのだが、『ライラの冒険』のほうは原作を読んでいない。そのために世界に入り込むのに時間がかかったこともあるかも知れないが、どうもピントがずれた印象の作品だ。まず、パラレルワールドで生きている人々を描いているのだが、それを示すのは最初のナレーションと、特徴的なダイモンの存在のみで、我々の世界とは違う世界なのだということが、どうも感覚的に伝わってこない。原作は三部作なので、初めから映画も三部作を前提としているのだろうが、今回はまったくプロローグだけを見せられたという気分で、え、これだけ?と思ってしまった。ストーリーもはっきり言ってつまらない。いろいろな道具立てや出来事はあるけれども、結局は主人公の少女の勇気がポイントなんでしょ?という単純な話。脚本の構成がどうにも疑問だ。

VFXは確かに巨費を投じて作っただけのことはあり、それは見事なものだ。特に鎧熊の戦いの場面などは迫力満点だし、鎧熊がライラを背に乗せて走るシーンは最も印象的なものだろう。だが、あまりに現実離れした壮大な場面ばかり見せられると、これはアニメでもよいのではないかと思ってしまう。人間性が描かれていないぶん、深みも重さもない。原作ファンのための映画だろう。

ニコール・キッドマンさんのプロポーションの素晴らしさには唸ったが、大人の観客も呼ぼうとして、ネームバリューのある彼女を起用したに過ぎないような印象だ。主役のダコタ・ブルー・リチャーズさんは、なかなか素敵な少女だ。きりっとしていて、意志の強い少女を好演していると感じた。

(2008.2.22 新宿厚生年金ホールにて)

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