麻生久美子さんと佐々木蔵之介さんが出演ということだけで観たくて応募した試写会。監督は『時効警察』の監督もなさった塚本連平さんだが、現在も更新中の人気ブログの映画化ということで、たぶん他愛ない話だろうと思っていた。
実際他愛ない話で、話の展開も、こうくるだろうなという予想を裏切るものではなかったけれども、テンポがよく、細かい笑い(三木聡監督の笑いとは異質)が楽しい、すっきりとした後味の作品だった。派手ないたずらの応酬は、相手に対する愛情と言い換えてもいい。そういう暖かい雰囲気の映画なのだ。
主人公のママチャリを演じる市原隼人さんはよかった。田舎でいたずらばかりやっている高校生にしては、色が白すぎるとは思ったが、精神的な幼さを残した役どころをうまく消化していたように感じた。石田卓也さんは、最近あちこちで見かけるので、ちょっとマンネリ風。他の仲間たちを演じる人たちは、バカなのだけれども単なるバカじゃないという微妙な若者像を、それぞれの個性に合わせてうまく演じていたと思う。
ベテラン陣では、佐々木蔵之介さん、ずいぶん体を張った演技で大奮闘だ。ちょっと憎憎しさには欠けるかなという印象だが、安心して観ていられる。麻生久美子さん、おトクな役柄。高校生たちのマドンナそのもので、爽やかな風を吹き込んでくれる。そのほかに、豪華なキャストがチョイ役でたくさん出演している。竹中直人さん、短い出演時間の割りに、たいへんな台詞の量で可笑しい。
みどころは、何といってもチャリンコ!いくつかの場面で、チャリンコの疾走が見られるのだが、これは爽快だ。佐々木さんも、これ本当に自分で乗っているの?と思うような見事なスラローム(?)の場面がある。
残念なのは、一番笑えるいたずらの応酬場面が予告編で使われてしまっていることだ。これを本編で初めて観たのだったら、もっとインパクトがあったのに。また、例によって試写会場の音響が悪く、無駄に残響があるので、台詞の聞き取れないところが結構あった。この作品は700日戦争のまだ序章という位置づけだが、続編はないほうがいいなと思う。余韻を残した今回の終わり方で十分な気がする。
(2008.3.3 東京厚生年金会館にて)