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『シルク』試写会

新作としては、2008年の鑑賞第1本目ということになる。日本=カナダ=イタリア合作ということで、どんな雰囲気の作品になるのだろうと思ったのが、試写会に応募した理由だった。舞台は19世紀フランスと日本が主。いったい映画は何語で?と思っていたが、第1声を聞いてがっかり("SILK"というタイトルから想像はしていたが)、英語だ!

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マイケル・ピットとキーラ・ナイトレイが主演となれば、言語が英語なのは仕方ないのかも知れないが、これではまったくフランスの雰囲気がぶち壊し。エレーヌという名前ひとつにしても「エレン」という発音じゃあ気が抜けてしまう。そしてキーラは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』では、あれほど生き生きとしていたのに、この作品では新妻の初々しさも感じられず、フランス人という設定に無理がある気がする。

そして、日本と外国の合作映画にありがちな懸念がズバリ的中してしまった。日本人の描き方が、まさに欧米人が感じるであろうエキゾティスムから一歩も踏み出していない。商取引相手とはいえ、遠路はるばるやってきた客の前で、妻が夫の膝枕で横たわるなんてことがありうるものか。芦名星さんの着物の着こなしも、まるで娼婦だ。むしろ、フランスで娼館を営む中谷美紀さんの洋装のほうがきりっとしている。欧米人を虜にするアジア女性の描写は、百年一日のごとく変わることがないようだ。

ストーリーも中途半端。どこを強調したいのかわからない。フランスから日本への過酷な命がけの旅も、描き方があっさりしすぎていて、実感を伴わない。製糸工場を営むバルダビューの人物像はなかなか面白いのだが、こちらもあまり突っ込んで描いていない。試写会場で配られたアンケートの項目に「本作を観て、泣きましたか?」というものがあったが、バカにしてもらっては困る。いったいどこをどのように観れば泣ける要素があるというのか。失礼ながら駄作という印象は拭えない。

(2008.1.7 有楽町よみうりホールにて)

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