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『やじきた道中 てれすこ』

他愛ないストーリーで江戸の人々の明るさを描いた作品。うまい役者を揃え、素晴らしいロケ地とセットでお気楽な楽しい映画を作ったという趣だ。主演の弥次郎兵衛絵を演じる中村勘三郎さん、うまいだけに、いやうますぎるだけに、コメディーの味を損なっているのではないかと思う。もっと自然でもよいのになあと感じて、どうも映画の中にはまり込めない。喜多八役の柄本明さん、ある意味では弥次郎兵衛より重要な役なのだが、もうちょっと若い役者さんにやってもらいたかったと思うのは、ないものねだりだろうか。ただ、小泉今日子さんは、贔屓目もあるかも知れないが、やっぱり魅力的だ。アイドル時代と変わらずキュートで、エンディングの黄八丈を着て、笑っている姿は本当に可愛く、見とれてしまう。一方、啖呵を切る場面のいなせな感じもよい。

遊郭の概観や古い家々のセットは見事としか言いようのない質感で、これが一番印象的だった。そしてこだわったというロケ地。箱根の並木道を3人がジャンケンをしながら歩いていくシーンが一番好きだ。このときの小泉さんの歩き方、なんと可愛らしい色気があることだろう。助演には、芸達者な人々を揃えているが、中でも地廻り役の松重豊さんがとてもよかった。遊女役のほしのあきさん、着物姿がよく似合うのでびっくり。一瞬の出演だったが、本当に可愛かった。

(2007.11.12 ユナイテッド・シネマとしまえん にて)

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