2006年ベネチア国際映画祭金獅子賞グランプリを受賞した、ジャ・ジャンクー監督の最新作、『長江哀歌』の試写会に行ってきた。
何とも感想の書きにくい映画だ。「どんなに世界が変わろうと、人は精一杯に生き続ける。」 という宣伝文句に間違いはない。しかし、そこに見えるのは力強い生でもなければ、生命力溢れる人間の営みそのものでもないように思える。ただ長江のあまりにもゆったりとした流れや、雲に霞む薄ぼんやりした景観と同じように、バックグラウンドに溶け込んでしまっているばかりで、何一つ表面にしっかり浮かび上がってくるものがないように思えた。つまりは、喩えようもなく地味なのだ。ベネチアの金獅子賞受賞作は、決してアメリカ人が見ようとはしない種類の映画だとよく言われるが、まさにその通り。エンターテインメント性の対極にある作品といえる。もちろん、ある程度は予想していたことだが。