『サウスバウンド』の豊川悦司さんは気に入らなかったが、こちらはきっとテーマから言って、もっとよいのではないかと想像していたら、想像通り。とても面白かった。やはりこういう暗い男を演じると、はまり役だなと思う。
映画は「劇場型捜査」というのがウリなのだそうだが、確かにのっけから暗いトーンの画面で、ハラハラどきどきさせる展開だ。原作は読んでいないが、ストーリーのスリリングさより、人間像を丁寧に描いている印象だ。
いつもながら、助演の笹野高史さんが素晴らしく、ベタベタしていないのに巻島(豊川)との磐石の信頼関係を感じさせてくれる存在だ。『時効警察』の、口の臭いお巡りさんのイメージなど、どこにもない、かと言って、『武士の一分』のような実直一点張りの人物でもない。今までに見たことのない笹野さんかも知れない。ひたすら嫌味な刑事役の小澤征悦さんも見事。東京で、たった一館でしか上映されないのがもったいない映画だ。
ただ結末が謎だ。あれはどういうことだったのだろう?
(2007.11.9 新宿シネマスクエアとうきゅう にて)