黒澤明監督作品のリメイクであり、脚本がほぼ同じともなれば、主演の織田裕二VS三船敏郎など、比較される宿命は避けられない作品であるが、現代的なキャラクター設定で、結構楽しめるものとなった。黒澤版をテレビなどで果たして観たことがあるかどうか、まったく覚えていないのだが、これほど喜劇的要素の多い作品とは意外だった。
敵側を徹底的に腹黒い悪として描くのではなく、むしろ情けない男たちとして登場させたことが、映画をほのぼのとした雰囲気のものにしている最大の要因だろう。三十郎も強いことは強いが、豪胆で無敵というより、頭の回転がよく、無駄な力を使わないという人物像だ。血気盛んな若侍たちが、最初は個性のない連中に見えるが、だんだんそれぞれの性格づけがくっきりしてくるところが面白い。
そして私が一番楽しめたのが、生け捕った押入れ侍役の佐々木蔵之助さん。この人は、本当におかしい。作品中で最も得な役だったかも知れない。織田裕二さんは、ちょっと人がよさそうに見えすぎるともいえるが、ラストシーンの殺陣はよかった。ライバル役の豊川悦司さん、若侍の中心となる松山ケンイチさんも、それぞれ持ち味を出している。城代家老の奥方役の中村玉緒さんだけ、ちょっとインパクトがありすぎたかな?(笑)
(2007.12.26 ユナイテッド・シネマとしまえん にて)