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『やじきた道中 てれすこ』

他愛ないストーリーで江戸の人々の明るさを描いた作品。うまい役者を揃え、素晴らしいロケ地とセットでお気楽な楽しい映画を作ったという趣だ。主演の弥次郎兵衛絵を演じる中村勘三郎さん、うまいだけに、いやうますぎるだけに、コメディーの味を損なっているのではないかと思う。もっと自然でもよいのになあと感じて、どうも映画の中にはまり込めない。喜多八役の柄本明さん、ある意味では弥次郎兵衛より重要な役なのだが、もうちょっと若い役者さんにやってもらいたかったと思うのは、ないものねだりだろうか。ただ、小泉今日子さんは、贔屓目もあるかも知れないが、やっぱり魅力的だ。アイドル時代と変わらずキュートで、エンディングの黄八丈を着て、笑っている姿は本当に可愛く、見とれてしまう。一方、啖呵を切る場面のいなせな感じもよい。

遊郭の概観や古い家々のセットは見事としか言いようのない質感で、これが一番印象的だった。そしてこだわったというロケ地。箱根の並木道を3人がジャンケンをしながら歩いていくシーンが一番好きだ。このときの小泉さんの歩き方、なんと可愛らしい色気があることだろう。助演には、芸達者な人々を揃えているが、中でも地廻り役の松重豊さんがとてもよかった。遊女役のほしのあきさん、着物姿がよく似合うのでびっくり。一瞬の出演だったが、本当に可愛かった。

(2007.11.12 ユナイテッド・シネマとしまえん にて)

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『犯人に告ぐ』

『サウスバウンド』の豊川悦司さんは気に入らなかったが、こちらはきっとテーマから言って、もっとよいのではないかと想像していたら、想像通り。とても面白かった。やはりこういう暗い男を演じると、はまり役だなと思う。

映画は「劇場型捜査」というのがウリなのだそうだが、確かにのっけから暗いトーンの画面で、ハラハラどきどきさせる展開だ。原作は読んでいないが、ストーリーのスリリングさより、人間像を丁寧に描いている印象だ。

いつもながら、助演の笹野高史さんが素晴らしく、ベタベタしていないのに巻島(豊川)との磐石の信頼関係を感じさせてくれる存在だ。『時効警察』の、口の臭いお巡りさんのイメージなど、どこにもない、かと言って、『武士の一分』のような実直一点張りの人物でもない。今までに見たことのない笹野さんかも知れない。ひたすら嫌味な刑事役の小澤征悦さんも見事。東京で、たった一館でしか上映されないのがもったいない映画だ。
ただ結末が謎だ。あれはどういうことだったのだろう?

(2007.11.9 新宿シネマスクエアとうきゅう にて)

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朝日新聞記事2点

本日10月31日付け朝日新聞朝刊に、興味ある記事が2つ載っていた。

漫画「グーグーだった猫である」映画化
この作品が、犬童一心監督・小泉今日子さん主演で撮影されていることは知っていたが、来年秋公開予定だというのに、今からこんなにスペースを割いて取り上げられていることを思うと、やはり注目作と言えるだろう。とみに評価を高めている小泉さんのことだから、また新鮮な一面を見せてくれることだろう。共演の加瀬亮さんももちろん楽しみ。早く観たいなあ。

第20回東京国際映画祭を振り返って(下)
映画祭の開催時期やあり方の問題を取り上げているが、それはともかく、注目したのは、青山真治監督がTIFFノプレゼンテーションに『雨月物語』の企画を出したという話だ。青山監督は、eiga.comにおける『サッド ヴァケイション』のインタビューで『雨月物語』に触れ、"活劇"になると話している。青山監督の小説『雨月物語』は読んでいないので、上田秋成の原作のどの話を組み合わせているのかは、よくわからないが、映画が実現するとして、男優が誰になるのか、非常に興味あるところだ。また浅野さんなのか、もしかしてオダギリもあり得るだろうか?そうなれば、本当に楽しみだ。

麻生さん、おめでとう!

麻生久美子さん主演の『ハーフェズ ペルシャの詩』が、ローマ国際映画祭で、審査員特別賞に輝いた。本当におめでとう!来年の公開が待ち遠しい。

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『パンズ・ラビリンス』

「PAN'S LABYRINTH」 というタイトルと、主演の少女の表情に惹かれて、観てみたいと思っていた。もっとファンタジー色が濃い作品かと想像していたのだが、意外に意外。時代背景がきっちり設定されており、現実の残酷さが大きな意味を持ってくる。でも、そのために幻想部分とのコントラストがインパクトを生み、大変見ごたえがある。先日の気の抜けたファンタジーとは違って、素晴らしい作品になっていると感じた。スペイン・メキシコ映画ということで、やはり他の国の作品とは一味も二味も違う魅力がある。久しぶりにスペイン語を聞いて、スペイン語の持つ音の力強さと美しさをあらためて実感した。この作品が英語でなくてよかった!

以下ネタバレあり

『ハーフェズ』麻生さんの写真

ローマ国際映画祭や、東京国際映画祭に出品されている『Hafez』が気になっているのだが、イタリアのサイトに写真がたくさんあった。麻生久美子さんの素敵な姿を見ると、「神秘的な女優」の本領発揮だなあと思う。

『スターダスト』試写会

最近はやりのファンタジーものだが、他の作品とは一線を画しているという宣伝文句は果たしてどうだったか。

以下ネタバレあり

『クワイエットルームにようこそ』

まあまあ面白かった。「まあまあ」であって、「とても」ではないところが微妙だが。

以下ややネタバレ気味

エンザイ

『HERO』を観に行ってきた友人から聞いた話。上映後、外に出ると二十前くらいの女性が二人、映画の感想を話していたのだそうだ。「面白かったね、エンザイって何のことだかよくわかんなかったけど」「うん、私もよくわかんなかった」というものだと言う。あちゃー!あの映画で「冤罪」って言葉の意味を知らなかったら、ストーリーがよくわからないだろうに…

それじゃあ、『帰ってきた時効警察』をみても、「猿罪」のギャグが通じないんだろうなあ。

この手の話は最近本当によく耳にする。大人だって若者言葉はわからないことも多いが、同年代だけに通じる言葉ではなく、きちんと辞書に載っているような言葉は、年代を問わず知っておくべきだと思うけれど。でも、メディアでは、「えん罪」と書いたりする時代だものなあ…無理もないか。

余計なことだが、本来、漢字二文字の用語なのに、当用漢字でないほうを平仮名にするやり方は大嫌いだ!振り仮名をつければ済むことなのに。新聞などでは、ルビをつけるには行間が足りないし、文字数制限があるため、おいそれとカッコ書きの振り仮名をつけるわけにもいかないらしい。

映画のタイトルも、『殯(もがり)の森』などは決定までに紆余曲折があったのだろうか。

消臭プラグの今井朋彦さん

新ドラマ「ガリレオ」を見ていて、一番印象に残ったのは、なんとCM(笑)おなじみの殿を演じる今井朋彦さん、すごい!オダギリのist8変化も真っ青な11変化で、マルチぶりを発揮してくれている。とくに、ダンスが一瞬だけれど、とっても上手なのにびっくり。手のポーズなんて、すっかり堂に入っているんだもの。と思って、ちょっと調べてみたら、ダンスは特技のひとつらしい。現在放送中の大河ドラマ「風林火山」でも、癖のある人物を演じていらしたが、このCMで好感度がアップしているのだろうなあ。

CMはこちらで順に見られるようだ。